2010年07月01日

敗因

 私が中学2年生だった秋の話です。

 当時、私は県内で2番目の生徒数を誇る学校に通い、野球部に所属していました。
 生徒数が多いので、部員も多いわけで、当然部員の野球スキルも玉石混交でした。

 ベンチ入りできる選手はそれなりの実力者がそろっており、
 県大会でも何度か優勝した経験がありました。

 そんな中、3年生が引退し、2年生が主体となって新チームが結成され、
 私も三塁手の控えとして、ベンチ入りを果たすことができました。
 当時、ベンチ入りメンバーには私を含め、三塁手が3人いました。
 レギュラーのS君、守備はイマイチですが打撃好調のN君、
 そして打撃がイマイチですが、守備面で信頼されている私です。

 新チームで臨んだ秋の地区大会。
 わが校は順調に勝ち上がり、決勝戦を迎えました。

 この試合、レギュラーのS君が怪我をしており、
 相手チームが好投手を擁するということで、
 打撃好調のN君がスタメンで起用されました。

 相手投手をなかなか打ち崩せず、同点のまま迎えた最終回、裏の守り。
 この回を守り切れば、延長戦に突入です。

 2アウトランナー2塁でした。
 次の打者が放った打球はN君のところへ飛びました。

 普通の何でもないイージーなゴロ。

 N君はその打球を前にはじきました。
 慌てて拾い直し一塁へ送球したものの、送球がそれました。
 ランナーがホームへ帰ってきて、わがチームはサヨナラ負けを喫しました。

 試合後のミーティングで監督が発した言葉は
 「最終回はN君を熱血に代えようと思ったんだけどなぁ」でした。
 N君にむちを打つようなことは言ってほしくありませんでした。

 普段からひょうひょうとしているN君の落ち込む姿を視界でとらえました。
 何と声をかければ良いのか分かりませんでした。

 翌日、学校の廊下でN君とすれ違いました。
 「野球部、辞めようかな」彼がつぶやきました。

 結果的に彼の送球ミスがなければ、負けてはいなかったかもしれません。
 しかし、監督が選手交代の決断をしていれば、
 また、ピッチャーが最終回にランナーを出していなければ、
 さらに、最終回までに、わがチームが点数をとっていれば、
 N君が敗戦の責任を背負い込むことはなかったのかもしれません。

 誰もN君を責めることはできないと思います。

 昨日のサッカーワールドカップは、
 延長でも決着がつかず、PK戦にもつれ込み、日本は敗れました。
 誰が悪いのでもなく、チームに運がなかった。
 そしてチームに運を呼び込める力がなかった。
 
 個人をやり玉に挙げることは厳に謹んで欲しいと思うのです。


posted by 熱血感動型 at 08:38| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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