Aさんは若くして会社を作ろうと考えていました。
しかし、会社の作り方が分からない。
法務局に行けば、会社設立の手続きが出来るということが分かりました。
意を決して法務局へ出向き、担当の方に会社を作りたいと話しました。
そして担当者に「ていかん」を準備するように言われました。
若かりし頃のAさんは、「ていかん」なる言葉を初めて聞きました。
「『ていかん』ってなんだ?」と思いつつ、法務局を後にしました。
「ていかん」を準備しないと会社を作ることができない。
まだインターネットが普及していない時代。
その方は、自宅で辞書を開き「ていかん」について調べました。
辞書には
【ていかん】諦め、悟ること
とありました。
会社を作り、社長になるいうことは、
何と奥の深いことなのだろう、と思ったのだそうです。
で、その後「諦観」は準備できなかったけれども「定款」は準備し、
めでたく会社は設立されたとのことでした。