2010年07月22日

契機

 先日、ガソリンスタンドへの卸売を担当するAさんと話していたときに、
 私の独立への契機についての話題になりました。
 ちょっとその辺りを深堀したくなったので、書いてみます。

 なお、興味のある方は、J-Net21の取材記事も見ていただければと。

 2007(H19)年の年末、当時ガソリンスタンドの店長だった私は、
 会社に診断士2次試験合格の報告をしました。

 それから数ヵ月後に、経営陣・上司数名と飲む機会がありました。
 宴たけなわで盛り上がっていたその時、ある経営陣がそっと私に囁きました。
 「社長のイスを準備するから、うちの会社に残っていてくれよ」

 悪い気はしませんでした。
 転職目的で診断士の勉強を始めたものの、
 学んだスキルを日々の業務で活用出来ており、
 その結果、職場の実績は相変わらず好調でした。

 本当に社長のイスが用意されるかどうかはともかく、
 このまま会社にいてもいいのかな、と思う自分もいました。

 その数ヵ月後、ねじれ国会の影響で、
 ガソリンの暫定税率がいったん廃止となりました。
 つまり、ガソリンにかかっていた税金が、1か月だけかからなくなりました。

 2008(H20)年4月。安くなったガソリンを買い求める長蛇の列。
 店頭は混乱を極めました。しかしそれもひと月の間だけの話です。
 5月には税率が復活し、買い控えの影響も出て
 ガソリンスタンドを訪れる客数はまばらとなりました。

 翌月の店長会議。
 全社的に利益が出ていないということで、多くの店長が吊るし上げられました。

 「店長会議は、会社が店長を応援する場でなければならない」
 常日頃、私が話していた会議の趣旨があっさり打ち砕かれました。

 吊るし上げられた店長の中には私もいました。
 「業績が悪い中、所定の休日数を消化している」というのが理由でした。
 店長の休日を減らすことと業績に何の関係があるのだろうと思いながら、
 黙って吊るされていました。
 その吊るし上げの先頭に立っていた方が
 「社長のイスを用意する」と言った経営陣でした。愕然としました。

 その後、この方とは個人的にしっかりお話する機会を設けました。
 もっとも先方は感情的になってしまい、まともな議論にはなりませんでしたけど。

 そんなとき、米国のサブプライムローンに端を発する世界同時不況が起こりました。
 それは日本にも飛び火し、多くの中小企業が資金繰りに困窮しました。
 当時の麻生政権は、セーフティーネット緊急融資制度を敷きましたが、
 これに駆り出されたのが、診断士でした。

 私も職場の休日を利用し、役所の窓口で対応にあたりました。  
 資金繰りに困窮する経営者と接する中で、
 自分が勤務する会社の経営陣のことが思い浮かびました。

 親会社の後ろ盾があるわが社の経営陣よりは、
 背水の陣で窓口に来所する経営者の役に立ちたいと意を決するのに
 時間はかかりませんでした。 

 以上が独立の契機なのですが、
 あのとき、「社長のイスを用意する」と言われていなかったら、
 あのとき、暫定税率の廃止がなかったら、
 あのとき、吊るし上げがなかったら、
 あのとき、世界同時不況がなかったら。
 どれが欠けても独立出来なかった気がします。

 そう考えると、独立するようにコトが流れていたのだろうと思うのです。


posted by 熱血感動型 at 06:46| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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