2011年06月14日

姥捨

 昨日、マーケティングの講師をする中で、
 会社の「強み」「差別化ポイント」について話す機会がありました。
 
 「強み」「差別化」と言えば忘れられない経験があります。

 21年間のガソリンスタンド(GS)勤務の中で、
 一番長く勤務したGS運営会社での話です。

 その会社は、最盛期には40店舗以上のGSを
 首都圏中心に展開していました。

 つまり、40人以上の店長がいるわけですが、
 会社の方針で降格人事が発令されることがあります。

 A店の店長は私より3歳年上でした。
 ある日、この方が一般社員に降格することとなりました。
 本社は当該社員の配属先として、私が店長を務める店舗を選びました。
 この人事異動の打診を受け、私はA店の元店長を受け入れることとしました。

 それから数か月後の話です。

 B店の店長は私より10歳年上でした。
 この方が店長代理に降格することとなりました。
 この時も、私が店長を務める店舗に配属させたいという打診を受け、
 私はB店の元店長を受け入れることとしました。
 
 店長の私は、年上の元店長2名を部下に持つことになりました。

 この状況を見た心無い人は、
 私の店舗を「姥捨(うばすて)山」と呼びました。

 しかし、店長経験者を部下に持つことは、
 店舗運営を彼らに任せることができます。
 それは、私が管理業務や戦略策定といった業務に注力できることを意味します。

 とはいうものの、降格人事を受けた当事者はモチベーションが大幅に下がります。
 特にA店の元店長は、モチベーションの落ち方も大きかったと思います。
 タイヤ販売に注力していた私の店舗へ赴任した初日に、
 彼は私に「自分はタイヤを売るのが嫌いです」と言いました。

 実はそんなことはない、ということを知っていた私ですが、
 「何を売るのが得意なのですか」と訊いたところ、
 「車検なら売るのが得意です」と答えが返ってきました。

 「じゃ、無理せずに得意な車検だけを売りましょうよ」と言った私に彼が言いました。
 「熱血さんのお店は、タイヤ販売に力を入れているんでしょう?
  アルバイトならともかく、社員の私がタイヤを売らないわけにはいかないでしょうが」

 「いえいえ、私はその人の強みを活かして、売りたいものを売ってほしいんです。
  無理に店舗の方針に合わせて、強みを殺す必要はないと思います」

 私は常日頃思っていることを述べました。

 数日後、私の店舗の店頭には、タイヤ販売に邁進する元店長が居ました。

 店長経験がある以上、もともと実力のある方たちです。
 モチベーションさえ元に戻れば、大きな実績を挙げてくれるのは目に見えていました。

 一般に、年配者は体力・気力が少なく、新しい仕事の飲み込みが遅いと言われます。
 しかし、当店では店長経験者である年配の方を2名も迎え入れたことにより、
 これが強みになり、他店との差別化を図ることができました。

 何が強みで何が弱みになるかは、その店舗・その会社次第だと思いますが、
 できるなら人が弱みと言うことを、強みに変えていきたいものです。


posted by 熱血感動型 at 12:26| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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