2011年09月27日

彼女

 その日は朝から雨でした。
 当然のことながら、電車内は傘を持った乗客がほとんどでした。

 私の向かいには、若い男性が、
 そして彼の隣には、中年の女性が腰かけていました。

 電車が、ある駅に停まりました。
 若い男性が座席から立ち上がり、降車して行きました。
 彼が座っていた座席そばの手すりには、傘が引っかけてありました。

 すると、隣に座っていた中年女性がおもむろに立ち上がり、
 電車の乗降口へ向かいました。
 そして、たった今降車した男性へ
傘忘れましたよと叫びました。

 その男性、
僕が乗る前から
 ありましたよ
と返しました。

 うつむく中年女性。車内の雰囲気、微妙。

 すると、別の中年女性が彼女に近寄り、
 「最初からあった傘だったんですねぇ」
 と話しかけました。

 「そうみたいなんですよね。声掛けて恥ずかしい想いをしましたわ」
 「いえいえ、親切心から出たお言葉でしょう?」 
 「ええ、まぁそうですけど」
 こんな会話から、2人のおしゃべりが始まりました。

 立場を失った中年女性を慮って、声を掛けた別の中年女性。
 彼女の思慮深さとその行動力に拍手をしたくなったのは、私だけではないはずです。

 なかなかできないことですよね。


posted by 熱血感動型 at 09:25| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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