A氏は、経営革新計画の承認を得たいということで相談に来られました。
しかし、A氏が考えておられる新規事業は、
新規性が薄く、承認取得は困難な状況でした。
面談を重ね、先方の強み・弱み、外部環境、ビジョン、
ビジョン達成のための課題などのヒアリングを進めました。
ところが、強みを機会に投入しビジョン達成に結びつく、
そんな新規事業がなかなか出てきません。
行き詰まった私は、何度か先輩診断士の方にも相談してみました。
しかし、A氏との面談の中で「これがいいのでは?」
というものが出ても、やっぱりどうもしっくりこないのです。
じゃ、違うテーマで考えましょうということを繰り返していました。
先日、5回目の面談をしたときのこと。
前回、とりあえず新規事業のテーマは決めてはいました。
「前回『これで行こう』と決めた新規事業のテーマを実施するには、
○○という障壁や△△という障壁があるからやはりできない」
A氏のそんな話から面談が始まりました。
めげずに話を聴いていきました。A氏もめげずに話をしてくれます。
残り時間があと数十分となったときに
ふと私の頭の中に質問が降りてきました。
「もし、もしですよ、○○とか△△だけじゃなく、あらゆる障壁がなかったとします。
Aさんは自分の思うように社内を動かすことができる状況になったとします。
その場合、Aさんはどんな事業をやりますか?」
A氏は考え込みました。沈黙が場を支配します。
やがてA氏が口を開きました。
「やはり、自分の強みである□□を新規事業として取り組みたいですね」
その新規事業は、A氏個人の強みが活き、
顧客からも支持が得られるものでした。
そのA氏個人の強みをシステム化して全社で取り組んでいけば、
A氏の会社は他社との差別化ができ、新規事業として成り立ちます。
A氏の顔つきが変わりました。「よし、それでいきましょう!」
面談を終えて帰る時のA氏が清々しい顔で
「ずっと面談の中で行き詰まりを感じていましたが、
今日の面談でとてもすっきりしました」
と言ってくれました。
「もし、もしですよ・・・」といった質問でA氏の視点が変わりました。
私に質問が降りてきてくれたのは、A氏が途中で諦めないで、
面談を重ねてくれたからだと思います。
相手にはまっている「たが」を外してあげて視点を変えること、
そして諦めないことの重要性を実感した面談でした。
素晴らしい経営革新計画ができそうです。
2012年02月06日
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